LURE FISHING Angling (SEP.2003 9)に紹介された記事。

手早く食べれて,価格も安いということで釣行時の食事として好まれる「麺類」を毎回紹介する連載
「ご麺下さい!」。第5回目は栃木県・板室温泉の「お食事処
 一八」の「スタミナうどん」を紹介する。
若い人に人気のメニューかと思いきや、
年配の湯治客も魅了する
人気の辛味入りうどん。


 開湯は1095年と、非常に歴史のある温泉地『板室温泉』。現在も多くの湯治客でにぎわうこの界隈で、変わったうどんを出す『一八(いっぱち)』という店の話を聞いた。

 今まではどちらかというと『正統派』の麺ばかり紹介してきたが、これは『和』と『洋』のコンビネーション的な『スタミナうどん』。なんでもうどんにじっくりと煮込まれた肉が入れられ、卵でとじられているという。湯治客が多いということは、自然とお年寄りが多くなる。したがって肉や辛味は敬遠されがちのハズ・・・・・。だが、このスタミナうどんはお年よりにも人気を集めているというのだ。

 理由が知りたい一心で店を訪れ、注文をする。

 席に運ばれてきたうどんを見て,まず驚かされたのがつゆの色。見るからに辛そうだ。意を決してすすってみたところ・・・・・・。意外と辛くない。むしろ肉の味がでて、非常にまろやかな味わいになっている。店主によると、これは通常のうどんつゆに肉の煮汁を合わせているのでこういう色になるとのこと。

 今度はその牛肉を味わってみる。ある程度の硬さがあるかと思いきや、非常に柔らかい。ほどよい辛味が味をさらに引き立て、食欲をそそる。牛肉は地元の那須牛を使用し、相当な時間をかけて煮込まれているそうだ。

 うどんそのものはのどごしがよく、つるつると食べられる細麺。つゆとの絡みも絶妙だ。本当は手打ちで出したいところだが、店で打っていたのではとてもじゃないけれど間に合わないということで、現在は麺屋さんに特別注文して作ってもらっているという。

 食べ終わっての感想は、つゆ、肉、麺、これら全てのバランスが非常によく、とにかく美味しいから老若男女問わずに人気があるのだろう。「これを食べないと板室に来た気がしない」という人もいるくらいだとか。

 寒いうちは体を温め、暑いときはさらに食欲を増してくれる「スタミナうどん」。那珂川や湯川から店までは車で数分という距離。皆さんにも是非、味わっていただきたい一品だ。

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