岩場をよじる同行の平山沙織さん

 
 
 JR両毛線富田駅下車。山腹の大きな「大小」の文字板を目印にして歩く。
 のどかな田園風景の平坦な小道をゆく。
 標高約60mの阿夫利神社登山口からはアカマツやナラ、カシなどの若木を切り開いた道を直登する。雨や雪が降ったらズルリと滑りそうな地質と傾斜である。まもなく露岩の尾根道になり、展望が開ける。標高は150mほどで眼下にゴルフ場と田んぼが広がる。
 洞窟のある岩を超え、薄暗い樹林の道を進む。
ロープの付いた20mの岩場をよじると直に314mの大小山山頂である。
 360度の展望である。渡良瀬川の水面が鈍い銀色の光を反射している。日光白根山は氷山のように真っ白い山塊を霞の中に浮かべている。
 穏やかな日射しを受け、夢心地で山頂の眺望を楽しんでいた。しかしラジオをがんがん鳴らしがら登ってくるマナー違反のがさつなおばさんに
夢のスクリーンは壊された。山頂では静かでありたい。 
 低山ながら岩場があり眺望も良いので愉しめる山である。
信太 一高