手をつないで、強風から逃れるカップル(右)。突風にあおられ、尻餅をつく登山者=那須・峰の茶屋跡
 
 
 レディース那須山歩会例会日の先月18日、那須連山は強風に見舞われた。
 峰の茶屋の風は暴力的である。飛ばされまいと、手をつないだ熟年カップルの男性が、突風で倒され、座り込む。女性は祈るような格好で、道標にしがみつく。 
 西側の複雑な地形の谷から吹き上げてくる風は、風速が連続的に15mを超す。出し抜けに30m以上の瞬間最大風速が襲う。これが怖い。風圧で全身が、フワッと浮き上がると同時に突き飛ばされる感覚である。体重の軽い人は注意が必要である。
 風が強く吹いたり、弱くなることを、「風の息』という。夏にしては荒い、峰の茶屋の「風の息」の洗礼を久々に浴びる。
 峰の茶屋以外で強風のとき要注意の場所は、牛ヶ首や剣ケ峰鞍部、朝日岳鞍部などがある。
 余談だが、吹く風は香りと同じように写真表現のしづらい対象である。 峰の茶屋跡避難小屋で、1時間ほど待機する。風の荒息が静まりそうもないので峠の茶屋に下山。 緑陰の中でランチ。峠の茶屋の風は陽射しのなかで、そよいでいた。
信太 一高