那須連山も12月から冬期に入った。
小春日和の先月下旬、峠の茶屋から茶臼岳に登る。同行はレディース那須山歩会の石川真佐子さんと川野恵美子さん。
山道脇のリンドウやウラジロタデ、シモツケなどの草木は、冬枯れてさび色に変身している。また小道の壁土部分には、ガラス細工のような霜柱が立ち、水晶のように光り輝いている。
茶臼岳肩付近から、茶臼岳西尾根尻に葉を落として、幹や枝が白い肌をむき出しのダケカンバの叢林が見える。わたしには白いダケカンバの群れが、「女性たちの裸踊り」に見える。しかし石川さんは「鳥の足」に見えると言う。同じものを同じところで見ても、まるっきりイメージが違う。おもしろいなぁ。
茶臼岳頂上近くで、白い花びらのような霧氷をまとったミネザクラの幼木に出合う。花びらのような霧氷から、川野さんが「タツノオトシゴ」を、わたしは「花魁のかんざし」を連想する。
初冬の茶臼岳の自然造形は、とても刺激的に想像力を鍛えてくれる。
信太 一高 |